
先客は一人、入れ換わるように退店され私はいつもの位置に腰掛けた。
少し会話を交わし、この日の標的を告げて地域情報誌を眺めていると…
少し会話を交わし、この日の標的を告げて地域情報誌を眺めていると…
と、後から入って来た常連の男性客が、厨房の向かいに腰を降ろした。
しまった…、女将さんとの会話を楽しむなら、そこが特等席なのだ…(涙)
しまった…、女将さんとの会話を楽しむなら、そこが特等席なのだ…(涙)
後客がすぐに来やがるとは、会話は諦めて私は今回の戦闘に備えた!

月見うどん 350円

ちくわ磯辺揚げ 150円
ステルス戦闘機よろしく四角い影が、美味しい爆弾を7つも積んでいる。
竹槍のような鋭い切り口で、揚げたてで熱々の旨すぎる危険な爆弾だ。
竹槍のような鋭い切り口で、揚げたてで熱々の旨すぎる危険な爆弾だ。

忍び寄る影…、何も知らない満月はすめの水面を静かに照らしている。
だが…次の瞬間、平穏な景色は爆弾により、美味しい惨劇を迎える…。
だが…次の瞬間、平穏な景色は爆弾により、美味しい惨劇を迎える…。

うっ…、ど―――――――――――――――――――――――んっ!!
※あまりにも過激な映像のため、爆撃の場面は自主的に掲載を控えた。

破裂した満月、農産物のネギが飛び散り、一味の火の粉が宙を舞う!
満月の破片がすめに混じり、美味しさの波状攻撃に思わず白旗状態。
満月の破片がすめに混じり、美味しさの波状攻撃に思わず白旗状態。
いやいや…、白旗じゃなくて白くて細長いうどんに、月を絡ませて頂く。
完敗だ…、最後まできちっと飲み干し、合掌と言う名の白旗を上げた。
完敗だ…、最後まできちっと飲み干し、合掌と言う名の白旗を上げた。

あっ、名刺が新しくなってるっ!
平和条約締結の証として筆ぺんによる手書きで、四角い屋号の落款…
美味しい敗北感に浸りながら、のんびりと戦地を後にする老兵だった。
美味しい敗北感に浸りながら、のんびりと戦地を後にする老兵だった。