宗像で50年近く営まれている老舗ラーメン店。
かなり年配のご夫婦が切り盛りしている店内は、
まんま「昭和」の空気感が息づいている佇まい♪
私が座った所はすだれで厨房と仕切られていて、
残念ながらお二人の調理工程があまり見えない。
注文を受けると大きな中華鍋に生麺が投入され、
女将さんが慣れた手付きで麺を湯掻き始めるが、
お二人とも高齢なので寸胴鍋を使うのが困難で、
必要に迫られてとられた手段だとお見受けした。
ラーメンセット 800円(もやし抜きで注文)
高菜ライス・焼めし・ドライカレーの選択肢で、
そのハーフサイズとラーメンのセットなのだが、
昼飯時でほとんどの客がセットを注文していた。
一口すするとまさに子供の頃に食べてた豚骨で、
表面にスープ鍋の上澄みの油と膜が張るタイプ。
濃いそうな見た目とは裏腹に口当たりは軽めで、
あっさりながら久留米っぽいコクが感じられる♪
高菜ライス(目玉焼きサービス)
蓮華ではなく朱色のスプーンが小脇に添えられ、
そのままでも高菜の塩気でイイ感じの旨さだが…
半熟の黄身と混ぜるとほど良くマイルドになり、
これがスープと合わさるとドンピシャの相性で、
必然的に焼めしもドライカレーも気になる(笑)♪
敢えて茹で上がりは「ヤワ麺」でお願いしたが、
予想通りてろてろでスープにも綺麗に馴染んで、
パサい歯ごたえの煮豚系チャーシューも含めて、
いにしえ系豚骨の必須アイテムが勢揃いだった♪
隣りは焼めしだったがその量はハーフではなく、
誰がどう見てもしっかり1人前盛り付けであり、
その客も焦った様子もなく普通に平らげていた!
厨房では大将が鍋振り(コンロ)と副菜を担当、
女将さんが麺上げ及び盛り付けを担当されるが、
女将さんは耳が遠いらしく注文内容はうろ覚え…
どのお客に対しても2〜3度内容を聞き直して、
まるで呪文を唱えるように繰り返し呟きながら、
麺上げ・湯切り・盛り付けと作業を続けていた。
後継者は居ない様子だが今後の動向については、
見守りが必要な老舗だと「私遺産」に登録した。