喫茶店の居抜き物件で手打ち蕎麦の専門店。
店先に入ると女将が植え込みの草むしり中、
慌てて店内に戻る姿が私的に好感を持てた。
元喫茶の店内はカウンター席と宅席が三つ、
昭和の香り漂う店内を和洋折衷にアレンジ。
笊そば 700円
品書きには温そばと笊そばだけが記されて、
季節の天ぷらが添えられる潔いメニューで、
ご飯モノはなく後はアルコールの選択のみ。
蕎麦は手打ちのニハで歯応えがかなり強く、
香りは控えめだが生山葵との相性が爽やか。
かえしも出汁が突出せず鰹節が優しく包み、
全体的なバランスが良い感じに計算される。
人参、山いも、ブロッコリー、茄子、南瓜、
野菜の天ぷらと自家製のお漬け物も繊細で、
各所に店主夫妻の丁寧な仕事が感じられる。
蕎麦湯を堪能しお勘定の際に女将さんから、
蕎麦を啜る音が心地よかったと褒められた。
厨房の暖簾の内側で経験値を試されていた、
心配りが細やかなご夫婦、見事な仕事ぶり、
これで700円は、私的に絶対に安過ぎる。