娘の体育会翌日、赤ら顔じゃ遠出も気が引け、
雨降りの中、ふらっと地元の『花音』に伺った。
客も引け、女将さんは何かを準備されていた。
私の顔を見るなり、女将さんは驚いた表情で、
女将 「えっ、どうされたんでさか…?」
我輩 「昨日、娘の体育会で見事に焼けまして(笑)」
女将 「大丈夫ですか、痛いんじゃありませんか?」
我輩 「笑ったら、顔がヒリヒリします(笑)」
女将 「いゃ~、驚いちゃいましたよ~(笑)♪」
我輩 「ポロシャツの襟とかスレて、今の私には凶器です…(涙)」
等と会話しながら、互いの近況を語り合った。
と、女将さんから「梅干しは、お好きですか?」
私は、酒の肴にするぐらい好物だと答えると、
蕎麦粉の仕入れ先から、分けて頂いたとか…
(以下、この梅干しの説明に終始致します!)
いつもの蕎麦茶に、梅干しが添えられていた。
女将さんが味見で出して来る物は間違いない。
話によると、梅の実も大葉も全て自家栽培で…
逢えて梅雨明けの、遅めの時期に収穫される。
花巻そば 900円
梅干しの皮は少し硬めで、旨味が凝縮さらて、
長持ちしない覚悟で極少量の塩で漬け込む。
促され、一粒頂くと厚めの皮がぱちっと弾け、
その食感が初めてで、まるでシャウエッセン!
果肉は軟らかく、薄塩の上品な味わいの上に、
梅本来の甘味が強く、フルーティさが広がって、
一口で頂いては申し訳ない、正に感激の旨さ。
女将さんは、梅干しの使い道に迷っておられ…
確かに、これは手を加えるか否か相当な逸材。
梅肉だと、豆腐や鶏肉などが一般的調理だが、
そんな単純な使い道は、この梅干しには失礼。
漬け汁も、サワーや焼酎で割って飲みたい程!
地酒の肴にも、アイスに掛けても絶対に旨い!
本当に応用が難しくて、贅沢な悩みの逸材だ。
今回は女将さんの機転で、蕎麦湯を頂く際に、
大葉を猪口に浮かべ、上から蕎麦湯を注ぐと、
ほんのりと梅が香り、塩気がほどよく加わり…
〆に相応しく、優しい味わいの蕎麦湯を堪能。
昼下がりのひと時、少し得した気分に浸った。