女将さんが体調を崩されたり、私も機会に恵まれず、
気付けば3ヶ月もご無沙汰で、そろそろ新蕎麦の頃。
月曜の13時、先客はなくゆったりとした空気が漂い、
挨拶を交わすと、「あら♪」と笑顔で迎えて下さった。

私が尋ねるよりも先に、女将さんから切り出された、
仕入先の臼が少なく、新そばを入荷できていないと。
昨年も、こちらは新そばが遅かったので想定範囲内。

個人的に、海苔の繊維がほどけて麺に絡むのが好物。
浮かべられた海苔達が、いい感じにつゆに浸っている。

間違いのない盛り付け、もうご覧の通りの美味しさ。
鶏の油脂が、焚かれる事で溶け込んで米粒を包む。
鶏肉の旨味も程よく残っており、かなりの達人業だ。

滑らかな口溶けは、葛で固めたからこその成せる業。
試した事はないが、コレをかえしで味わってみたい…

つゆに広がる磯香が湯気に混じって鼻腔をくすぐる。
そばを持ち上げる度に、溶けた海苔が麺に纏わり…
鰹節、鯖節、いりこ、昆布、干しあご、干し椎茸など、
出汁として優れた食材は、他にも色々とあるのだが、
醤油や塩と並び、おぼろ昆布や海苔は磯の調味料。
そう感じさせるほどの味わいで、本当に勉強になる。

で、後客もおらず、募る話を互いに続けた昼下がり、
気が付けば、2時間近く女将さんと話した事になる!
この日、新たなマル秘食材を色々と試食させて頂き、
品書きに載せる新たな肴を、それなりに話し合った。
勿論、女将さんの足元にも及ばない素人の味見だが、
拘り食材を試食した私の感想を真剣に聞く女将さん。
合わせる食材や、火加減、塩加減、水加減、味付け、
私的に真剣に、その食材への答えを出してはみたが、
商品化されるか否か、乞うご期待!
